「病院見学って、いつから行けばいいの?」「何週間前に申し込めばいい?」「6年生はいつまで行ける?」——ポリクリが始まる前後の医学生のみなさんは、こんな疑問を持っているのではないでしょうか。
結論から言うと、病院見学は「ポリクリが始まったあとの最初の長期休み」から行き始め、5年生のうちに幅広く見て、6年生の夏の採用試験前までに受ける病院に絞って通うのがおすすめです。申し込みは見学日の1か月前、人気病院なら1〜2か月前が安心です。
この記事では、地方国公立医学部を卒業し、現在は市中病院で研修医1年目として働いている私が、病院見学はいつから行くか・学年別のスケジュール・見学の時期といつまで行けるか・何週間前に申し込むか・何時まで見学するかを、実体験をもとに解説します。

長期休みになると、全国の医学生がいっせいに各地の病院へ散っていきます。ちょっとした民族大移動です。乗り遅れないように、スケジュールの立て方から押さえておきましょう!
医学生の病院見学はいつから行けばいい?
結論:ポリクリ開始後の最初の長期休みから
病院見学は、早い人だと4年生のうちから行き始めます。とはいえ、ポリクリ(臨床実習)が始まって、病院の雰囲気や医学用語に少し慣れてから行くと、見学で見たことの意味がわかりやすく、得られるものが大きいと思います。
早い人は、4年生の春休みから見学を始めます。5年生の夏休みだけでは見たい病院を回りきれないこともあるので、遅くとも5年生の長期休みには行き始めるのがおすすめです。6年生になると、見学できる回数や期間を制限する病院もあるので、「6年生になってから考えよう」では間に合わないことがあります。
私の初めての病院見学はポリクリ開始後のGW
私の大学では、1月からポリクリが始まりました。そのあとのゴールデンウィークに、2週間ほどのまとまった休みがあったので、そこで初めて病院見学に行きました。
ポリクリで大学病院の流れを経験したあとだったので、市中病院の研修医の先生がどんなふうに働いているのかを、大学病院と比べながら見ることができました。

病院見学の「いつから」は、自分の大学のポリクリ開始時期と、長期休みのカレンダーから逆算して決めるのがおすすめです。まずは大学の年間予定を確認しましょう。
早めに行くメリット
- いろいろなタイプの病院(大学病院・市中病院、都市部・地元)を比べられる
- 6年生になる前に、志望する病院を決められる
- 受ける病院に何回か通って、顔を覚えてもらえる
- 履歴書の志望動機や面接で話す「見学で見たこと」の材料が集まる
医学部4〜6年の学年別病院見学スケジュール
ここからは、医学部4年生から6年生までの病院見学スケジュールを、学年別にまとめます。まずは全体像です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 4年生〜2月 | CBT・OSCEを優先。Webセミナーや合同説明会で、気になる病院を10〜20か所ピックアップ |
| 4年生3月(春休み) | 早い人はここから見学スタート |
| 5年生GW | ポリクリ開始後の最初のまとまった休み(私の初見学はここ) |
| 5年生4〜6月 | 夏休みに見学する病院を探して、申し込む |
| 5年生夏休み | 病院見学のベストシーズン。悔いがないように幅広く見学 |
| 5年生冬休み〜春休み | 志望度の高い病院に絞っていく |
| 6年生春〜夏 | 受ける病院に絞って通い、採用試験・マッチングへ(最後の見学は採用試験の前) |
| 6年生秋〜冬 | マッチングの結果発表後は、卒試・国試の勉強に集中 |
目指したいのは、5年生のうちに「行きたい病院」をほぼ決めて、6年生は受ける病院へのあいさつと対策にあてるスケジュールです。6年生の後半は国試の勉強に集中したいので、見学は前倒しが基本です。
4年生:CBTを優先しつつ情報収集
4年生は、まず共用試験(CBT・OSCE)を突破することが最優先です。CBTの成績はマッチングでも見られることがあるので、ここはおろそかにできません。
そのうえで、空き時間を使って、どんな病院があるのかを調べておきましょう。4年生のうちに志望科や志望病院が決まっている人はほとんどいないので、ざっくりで大丈夫です。気になる病院を10〜20か所くらいリストアップしておくと、5年生の見学先選びがぐっと楽になります。
いきなり見学に行くのはハードルが高いという人は、Webセミナーや合同説明会(レジナビフェアなど)がおすすめです。たくさんの病院の話を1日で聞けて、研修医の先生と直接話せる病院もあります。
もちろん、4年生の春休みなどに、気になる病院に1回行ってみるのもよいと思います。4・5年生の見学を「いつでも歓迎」としている病院もあります。
5年生:長期休みに幅広く見学する
5年生は、病院見学のメインシーズンです。私は、4・5年生のうちに大人気の病院から地元の病院まで、合計7〜8か所を見て回りました。
この時期は「受けるかどうか」をあまり気にせず、タイプの違う病院を見て、自分が研修病院に何を求めているのかをはっきりさせるのが目的です。大学病院か市中病院か、都市部か地元か、研修医の人数は多い方がいいか、などを比べてみましょう。
特に5年生の夏休みは、病院見学のベストシーズンです。休みが長く、まだ6年生ほど忙しくないので、遠方の病院にも行きやすい時期です。逆に、夏休みに行く病院は5年生の4〜6月ごろには決めて、申し込みを始めておきましょう。
「行く予定のない病院にも行くべき?」と迷う人もいると思いますが、比べる対象があるからこそ、病院ごとの違いがわかります。私も4・5年生のうちは、大人気の病院から地元の病院まで、受けるかどうかに関係なく見て回りました。
6年生:受ける病院に絞って通う
6年生になったら、受ける病院に絞って見学に行きます。私は、受験する病院にはそれぞれ3回ずつ見学に行きました。ある程度人気の病院であれば、最低3回は行った方がいいと思います。
そして、受ける病院はできれば6年生になる前に決めておくのがおすすめです。直前まで迷っていると、周りの動きに振り回されてしまいます。6年生は「病院を探す時期」ではなく、「受ける病院に顔を売り、対策をする時期」です。
病院にとって研修医の採用はとても大事なので、病院見学では人柄や意欲を見られています。6年生の見学は「本当に行きたい病院へのあいさつ」のつもりで、学生気分ではなく「この病院で働く研修医候補」として行きましょう。

5年生は「いろんなお店を食べ歩く時期」、6年生は「通い詰めて常連になる時期」です。常連になると、お店(病院)の人にも顔を覚えてもらえますよ。
病院見学の時期といつまで行けるか
見学の時期は長期休みが中心
ポリクリ中は平日に大学の実習があるので、病院見学に行くのはゴールデンウィーク・夏休み・冬休み・春休みなどの長期休みが中心になります。
ただし、長期休みは全国の医学生が同じことを考えるので、人気病院はすぐに枠が埋まります。また、長期休みに見学に行くときは、1つの病院だけでなく、2〜3つの病院をまとめて回ることが多いです。移動や宿泊も含めてスケジュールを組む必要があるので、早めの計画が欠かせません。
6年生の病院見学はいつまで?
6年生の病院見学は、夏の採用試験の前までが一般的な区切りです。私も、最後の病院見学は6年生の夏、採用試験の前でした。マッチングの結果は、例年10月下旬に発表されます。
注意したいのは、6年生の見学に期限や回数の制限を設けている病院があることです。2026年10月時点で各病院のサイトを見ると、たとえば次のようなルールがありました。
- 東京警察病院:5年生は8月〜3月、6年生は5月6日〜7月16日の間で見学可能。6年生は1回に限る
- 岡崎市民病院:4・5年生はいつでも受け付け、6年生は2026年7月15日まで見学可能
このように、6年生になってからでは、行ける回数も期間も限られることがあります。気になる病院は、5年生のうちに一度行っておくと安心です。

見学の受付期間・学年ごとの制限・回数制限は、病院や年度によって異なります。必ず、見学したい病院の公式サイトの最新情報を確認してください。
病院見学は何週間前に申し込む?
目安は1か月前、人気病院は1〜2か月前
病院の公式サイトでは、「見学希望日の2週間前まで」を申し込みの期限にしている病院がよくあります(例:東京警察病院、東京都立駒込病院)。
ただ、私の経験では、期限ぎりぎりではなく、大体1か月前、人気病院なら1〜2か月前に申し込んでいました。理由は次の2つです。
- メールを送っても、すぐに日程が決まるわけではない(なかなか返信が来ないこともある)
- 長期休みは2〜3病院を回るので、全体のスケジュールを組む必要がある
特に、返信待ちのあいだは他の病院の予定も決められず、地味にストレスがたまります。余裕を持って申し込んでおけば、返信が遅くても慌てずにすみます。

見学申し込みメールの返信を待つ時間は、気になる人からのLINEを待つ気分そのもの。1日に何回メールボックスを開いたかわかりません(笑)
長期休みの見学スケジュールの組み方
長期休みに2〜3病院を回るときは、早めに1つずつ病院の見学予定を入れていくのがコツです。おすすめの順番は次のとおりです。
- 大学の長期休みの日程を確認する
- 行きたい病院をリストアップし、優先順位をつける
- 人気病院・優先度の高い病院から、1〜2か月前に申し込む
- 日程が決まった病院から順にカレンダーに入れる
- 空いた日に、ほかの病院の見学を1つずつ入れていく
- 移動手段・宿泊先を手配する
全部の病院に一斉に申し込むと、返信が来た順に日程が重なってしまうことがあります。1つ決まったら次を入れるくらいのペースが、結果的にきれいにスケジュールが組めます。
申し込むときの3つのポイント
- 病院が指定する方法で申し込む(最近はメールより、病院サイトの申し込みフォームが多い)
- 見学の候補日は、複数提示する
- 見学したい診療科を決めておく(申し込みのときに必ず聞かれます)
あわせて、受付の場所・集合時間・持ち物なども事前に確認しておくと、当日慌てずにすみます。
見学する診療科の選び方
「どの科を見学すればいいかわからない」という人は多いと思います。迷ったら、次の3つから選ぶのがおすすめです。
- 救急科:研修医は当直などで救急の症例をたくさん経験します。研修医がどこまで任されているかが一番よくわかる科です
- 内科:初期研修で一番長く回る科(24週以上)。研修医の日常の働き方がわかります
- 自分の志望科:将来進みたい科が決まっている人は、その科で何を経験できるかを確認しましょう
私も研修医になった今、数日に一度は救急当直に入っています。1回目の見学は、救急科か内科にしておくと、得られる情報が多いと思います。
病院見学は何時から何時まで?
基本は朝8時半ごろ〜夕方17時ごろ
私が経験した病院見学は、朝8時半ごろに集合して、夕方17時ごろまでの1日というパターンが多かったです。病院の公式サイトでも、集合時間を8時30分〜8時45分としている病院があります(例:岡崎市民病院)。
ただし、見学の時間は病院によってさまざまです。私が経験したものだけでも、次のようなパターンがありました。
- 朝8時半ごろ〜夕方17時ごろの1日見学
- 午前のみ・半日の見学
- 見学のあとに、研修医の先生とご飯・懇親会
- 夜まで残る当直見学
研修医とのご飯・当直見学はチャンス
見学のあとに研修医の先生とご飯に行けたり、当直見学ができたりする病院もあります。日中の見学ではわからない、研修医の本音や、当直で研修医がどう動いているのかを知れる貴重な機会です。
私の研修先では、救急当直で研修医がファーストタッチを担当し、問診から検査のオーダー、どの科に相談するかまで考えます(わからないことは上級医に質問できます)。こうした当直の中身は病院によって大きく違うので、救急で研修医がどこまで任されているのか、上級医にすぐ相談できる体制なのかは、ぜひ見ておいてください。
見学の終了時間は、病院の案内や担当の先生の指示に従いましょう。懇親会や当直見学は、病院によって有無が違います。参加できるかどうかは、申し込みのときや当日に確認してください。
病院見学で何を見る?チェックポイント
せっかく病院見学に行くなら、何を見るかを決めてから行くのがおすすめです。私が医学生のころ、病院を比べるためにメモしていた項目は次のとおりです。
| 項目 | 見る・聞くポイント |
|---|---|
| 研修医について | 男女比、出身大学、その病院を選んだ理由、入職前後のギャップ、後期研修にそのまま残る割合 |
| 当直について | 救急車の台数、救急患者数、患者さんの特徴、当直の体制と回数、研修医の関わり方、オンコールの有無、フィードバック体制 |
| 福利厚生について | 住宅補助・寮、給与(額面)、長期休暇、研修医室や食堂などの設備 |
| 勉強会について | 頻度、開催時間(朝・昼・夕方)、内容 |
こうした項目を病院ごとに同じ形でメモしておくと、あとで比べるときにとても役立ちます。見学で見たことは、履歴書の志望動機や面接でもそのまま使えます。

見学は「見られる場」でもあり、こちらが「見る場」でもあります。メモ帳片手に、病院の偵察隊になったつもりで行きましょう!
医学生の病院見学に関するよくある質問
Q. 病院見学は何日間行けばいい?
A. 1回の見学は、1日または半日のことが多いです。私が経験した見学も、朝から夕方までの1日見学か、午前のみの半日見学がほとんどでした。病院によっては、見学とは別に、数日間の「実習」を受け付けているところもあります。
Q. 6年生から初めて病院見学に行っても間に合う?
A. 行くこと自体はできますが、6年生は見学の期間や回数を制限している病院があるので、選択肢が狭くなります。できれば5年生のうちに一度は行っておくのがおすすめです。
Q. 病院見学は平日に行くもの?
A. 基本的には平日です。土日・祝日や年末年始は受け付けていない病院が多いので、平日に休みがとれる長期休みが見学のメインになります。
Q. 同じ病院に何回も見学に行くのは普通?
A. 普通です。私も受ける病院には3回ずつ行きました。ただし、「同じ科の見学は1回まで」「6年生は1回まで」など制限がある病院もあります。何を確かめに行くのか、目的をはっきりさせてから行きましょう。
Q. 国試の勉強が進んでいなくても見学に行って大丈夫?
A. 大丈夫です。病院見学では、医学の知識や成績よりも、あいさつなどの基本的なマナー・第一印象・質問する姿勢が見られています。ただし、病院のホームページやパンフレットに書いてあることは、事前に確認しておきましょう。
Q. 車で見学に行ってもいい?
A. 公共交通機関でも車でも大丈夫です。ただ、遅刻だけは絶対にしないように、時間に余裕を持って向かいましょう。駐車場が使えるかどうかは、事前に病院に確認しておくと安心です。
Q. 見学の交通費は出る?
A. 病院によります。交通費や宿泊費を補助してくれる病院もあれば、「支給なし」と明記している病院もあります(例:東京警察病院は交通費・昼食代の支給なし)。申し込む前に、病院のサイトで確認しておきましょう。
Q. 見学のあとにお礼メールは必要?
A. 送っておくのがおすすめです。お礼メールの書き方は、別の記事で詳しく解説しています。
まとめ:病院見学は早めのスケジュールが命
- 病院見学は、ポリクリ開始後の最初の長期休みから行き始める(早い人は4年生の春休み、私は5年生のGWが初見学)
- 4年生はCBT優先で情報収集、5年生(特に夏休み)は幅広く見学、6年生は受ける病院に絞って通う
- 迷ったら、見学する科は救急科か内科、志望科が決まっていればその科
- 見学の時期は長期休みが中心。2〜3病院をまとめて回ることが多い
- 6年生の見学は、夏の採用試験の前まで。6年生の見学に制限がある病院もある
- 申し込みは1か月前、人気病院は1〜2か月前。返信が遅いこともあるので余裕を持つ
- 見学は朝8時半ごろ〜17時ごろの1日が多いが、半日見学・懇親会・当直見学もある
- 研修医・当直・福利厚生・勉強会の4つを、病院ごとにメモして比べる
病院見学は、マッチングの準備であると同時に、自分がどんな研修医になりたいかを考える機会でもあります。早めにスケジュールを組んで、いろいろな病院を見てみてください。この記事が、病院見学の計画を立てる医学生の参考になればうれしいです。

こちらの記事もぜひ参考に!
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