病院見学で見るべきこと・聞くべきこと|見るべきポイント・項目と質問リスト、質問の仕方とタイミング

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「病院見学に行くけど、何を見ればいいの?」「研修医の先生に何を質問したらいい?」「質問するタイミングがわからない…」——初めて病院見学に行く医学生のみなさんは、こんな悩みを持っているのではないでしょうか。

  • 病院見学で見るべきこと・見るべきポイントを知りたい
  • 研修医や先生に聞くべきこと、質問リストがほしい
  • 質問の仕方や、質問するタイミングがわからない
  • 見学の前に、どんな事前準備をすればいい?

結論から言うと、病院見学で一番見るべきことは「研修医の雰囲気・人間関係」です。そのうえで、救急・当直の体制、教育体制、待遇を、研修医の先生への質問で確かめていきます。質問のタイミングは、昼ごはん・移動中・見学後のご飯がねらい目です。

この記事では、地方国公立医学部を卒業し、現在は市中病院で研修医1年目として働いている私が、病院見学で見るべきこと・見るべき項目・聞くべきことの質問リスト・質問の仕方とタイミング・事前準備を、実体験をもとに解説します。

医学生P
ぷく

病院見学は、なんとなく行くと「すごかったです!」の感想だけで終わります。小学生の社会科見学にならないように、見るべきポイントを持って行きましょう!

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病院見学で見るべきことは「研修医の雰囲気」

一番の見るべきポイントは研修医の雰囲気・人間関係

私が病院見学で一番重視していたのは、研修医の雰囲気と人間関係です。2年間、毎日いっしょに働くのは、同期や先輩の研修医と上級医の先生たちだからです。

たとえば、次のようなところを見るのがおすすめです。

  • 研修医どうしが楽しそうに話しているか、相談し合っているか
  • 研修医が上級医の先生に気軽に質問できているか
  • 研修医が疲れきっていないか、目が死んでいないか
  • 看護師さんなど、ほかの職種の人との関係はどうか

研修医になった今、改めて思うのは、わからないことを上級医にすぐ聞ける雰囲気があるかどうかがとても大事だということです。救急当直で研修医がファーストタッチをするとき、わからないことは質問できるし、質問しないといけません。聞きにくい雰囲気の病院だと、それだけで研修がつらくなります。

研修医の人数も合わせて見ておきましょう。研修医の人数が少なすぎる病院は、合わない人がいたときに逃げ場がありません。私の研修先は研修医が20人程度と多めなので、同期や先輩に相談しやすいのが心強いところです。

病院見学で見るべきポイント5つ

研修医の雰囲気に加えて、私が病院を比べるときに見ていたポイントを5つにまとめます。

  1. 研修医の雰囲気・人間関係
  2. 救急・当直の体制(研修医がどこまで任されるか)
  3. 教育体制(勉強会・指導の形)
  4. 研修医の働き方(何をしているか・忙しさ)
  5. 給与・福利厚生

②救急・当直の体制

研修医は、当直で救急の症例をたくさん経験します。救急車が多い「ハイパー」な病院か、少なめの「ハイポ」な病院かで、研修の忙しさも経験できる症例も大きく変わります。参考程度の目安ですが、救急車が1日20台くらい来るとハイパー、10台以下だとハイポと言われることもあります。

あわせて、研修医がファーストタッチをするのか、上級医にすぐ相談できる体制か、当直は月に何回かを確認しておきましょう。

③教育体制(勉強会・指導の形)

勉強会の頻度や時間帯(朝・昼・夕方)、指導医が1対1で教えてくれる「マンツーマン型」か、1つ上の研修医が下の研修医に教える「屋根瓦式」かなど、病院によって教え方はさまざまです。どちらがいいかではなく、自分に合う形かを見てみてください。

④研修医の働き方

研修医が1日の中で何をしているかを見ます。私の今の働き方は、上級医の先生について、カルテの記載や薬の処方、処置を行ったり見学したりするのが基本です。見学先の研修医がどこまで自分で手を動かしているかを見ておくと、自分の研修生活がイメージしやすくなります。

⑤給与・福利厚生

給与や住宅補助、寮の有無、長期休暇なども大事なポイントです。給与は当直の回数や残業時間で変わることがあるので、「額面でだいたいどれくらいか」を研修医の先生に聞くのがおすすめです。

病院見学で見るべき項目チェックリスト

見学先を比べやすいように、私がメモしていた項目を表にまとめます。病院ごとに同じ項目でメモしておくと、あとで比べるときにとても便利です。

項目 見るべきこと・聞くべきこと
研修医 人数、男女比、出身大学、その病院を選んだ理由、入職前後のギャップ、初期研修後にそのまま残る割合
救急・当直 救急車の台数、救急患者数、患者さんの特徴、当直の体制と回数、研修医の関わり方、オンコールの有無、フィードバック(いつ・どのように)
教育体制 勉強会の頻度・時間帯・内容、マンツーマン型か屋根瓦式か
研修プログラム 選択期間の長さ、提携先の病院、後期研修(専攻医)の体制
福利厚生 給与(額面)、住宅補助・寮、長期休暇、研修医室や食堂などの設備
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見学を3つ4つと重ねると、どの病院で何を聞いたか、本当に記憶がごちゃまぜになります。「あの優しい先生がいたのはどこだっけ…」とならないように、メモは必須です!

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病院見学で聞くべきこと【質問リスト】

ここからは、病院見学で聞くべきことを、質問する相手別の質問リストにしてまとめます。同じ質問でも、相手によって答えやすさや印象が変わるからです。

研修医の先生に聞く質問リスト

研修医の先生は、一番本音で答えてくれる相手です。研修生活のリアルは、研修医に聞きましょう。

  • この病院を選んだ理由は何ですか?
  • 入る前と今で、病院の印象は変わりましたか?
  • 救急や手技は、どれくらい任せてもらえますか?
  • 当直は月に何回くらいですか?どんな体制ですか?
  • 受け持ちの患者さんは何人くらいですか?(科によります)
  • 上級医の先生に質問しやすい雰囲気ですか?
  • 1日のスケジュールはどんな感じですか?
  • お休みはとれますか?給与や福利厚生に満足していますか?

研修医にだけこっそり聞きたい質問

次の質問は、指導医や人事の方に聞くとマイナスの印象になりかねません。研修医の先生にだけ、こっそり聞きましょう。マッチング対策にも直結する情報です。

  • 採用試験の過去問や、試験の形式を教えてもらえますか?
  • 面接では、どんなことを聞かれましたか?
  • 関連大学の枠のようなものはありますか?
  • 途中で研修をやめた研修医はいますか?
  • この病院の研修の短所はどこですか?
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「この病院の短所は?」を指導医の先生に聞くのは、お店の店長に「この店でまずいメニューは?」と聞くようなもの。研修医の先生(常連さん)に聞くのが正解です。

指導医・研修担当の先生に聞く質問リスト

指導医や研修担当の先生には、研修プログラムの考え方や、病院が研修医に求めていることを聞くのがおすすめです。

  • どんな研修医に来てほしいと考えていますか?
  • 勉強会の頻度や内容について教えてください
  • 提携先の病院での研修について教えてください
  • 初期研修後の後期研修(専攻医)の体制はどうなっていますか?
  • この病院で研修を積むと、どんな医師になれると思いますか?

私が研修担当の先生に聞いてよかった質問

私がある「ハイパー」な病院に見学に行ったとき、初期研修の研修担当の先生と話す機会がありました。そこで、こんな質問をしてみました。

「この病院で研修を積めば、他の病院と違って、どのような医師になれるでしょうか?」

先生からは「良い質問ですね」と言ってもらえました。そのうえで返ってきた答えは、次のようなものでした。

一般的な研修病院なら、どの病院で研修を積んでも、基本的にできるようになることはほぼ一緒。どんな医師になれるかは、その病院で何をするか、何を重視して研修を積んでいくか次第で、結局は自分次第。それを忘れないように。

病院の宣伝をするのではなく、研修の本質を教えてくれた答えでした。

病院見学では、つい「どの病院が一番いいか」を探してしまいがちです。でも、「自分がその病院で何をしたいか」を考えながら見学することが、本当に大事なんだと気づかされた質問でした。こうした「病院の考え方」を聞ける質問は、指導医や研修担当の先生にこそ聞いてみる価値があります。

人事担当の方に聞く質問リスト

  • 初期研修後に、そのまま病院に残る方はどれくらいいますか?
  • 見学の回数や、採用試験の日程について教えてください
  • 住宅補助や寮について教えてください

ホームページやパンフレットに書いてあることは聞かないようにしましょう。「調べてこなかったのかな?」と思われてしまいます。調べたうえで「ホームページで〇〇を拝見したのですが、実際は〜」と聞くと、印象がぐっと良くなります。

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病院見学の質問の仕方と質問のタイミング

質問のタイミングは「昼ごはん・移動中・見学後のご飯」

「質問したいけど、いつ聞けばいいかわからない」という人は多いと思います。私が実際に研修医の先生に質問していたタイミングは、次の3つです。

  1. 昼ごはんのとき:研修医の先生と一緒にお昼を食べることが多く、一番ゆっくり話せる時間です
  2. 移動中・病棟の合間:科や病棟を移動するときや、手が空いたタイミングで短めの質問をします
  3. 見学後のご飯・懇親会:お酒やご飯の席だと、研修医の本音や、病院の短所などの聞きにくいことも聞きやすいです

特に、「研修医にだけこっそり聞きたい質問」は、見学後のご飯や懇親会がベストです。病院の中では言いにくいことも、外だと話してもらいやすくなります。

質問を避けるべきタイミング

  • 処置や診察の最中
  • 患者さんやご家族の前
  • 先生が急いでいるとき、電話やカルテ記載で忙しそうなとき

病棟では、先生方はカンファや回診、処置などで動き回っています。「今、少しだけ質問してもいいですか?」とひと言そえるだけで、相手も答えやすくなります。

質問の仕方のコツ3つ

  1. 質問の意図を伝える:「〇〇科に興味があるので、〜について知りたいです」と理由をそえる
  2. 相手に合った質問をする:研修生活のリアルは研修医、プログラムの考え方は指導医、制度は人事の方に
  3. 答えをメモする:聞いたことはその場か、休憩時間にメモしておく

質問は、病院のことを知るためだけのものではありません。質問をすること自体が、病院への興味や意欲のアピールにもなります。

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昼ごはんは、見学中で一番の「質問ボーナスタイム」です。ご飯を味わうのもほどほどに、聞きたいことはここで一気に聞いてしまいましょう(笑)

病院見学の事前準備

見るべきことや聞くべきことをしっかり押さえるには、見学前の事前準備が欠かせません。私が実際にやっていた準備は次の3つです。

①病院のホームページ・研修プログラムを確認する

見学の前に、病院のホームページで理念や基本方針、研修プログラム、各診療科の特徴を確認しておきます。プログラムは、必修と選択の配分や、提携先の病院などが病院ごとに違うので、気になるところをチェックしておきましょう。

②質問リストを作っておく

私は、聞きたいことを事前に質問リストにして持って行っていました。目安は、研修医・指導医・人事の方に、それぞれ3つずつくらいです。この記事の質問リストを、そのまま使ってもらってもOKです。

当日、緊張して頭が真っ白になっても、リストがあれば大丈夫です。

③見学後にメモを整理する

見学が終わったら、その日のうちにメモを整理していました。ホームページではわからなかったことや、研修医・指導医の先生の印象を書いておくと、病院を比べるときに役立ちます。

このメモは、マッチングの履歴書の志望動機や、面接の「見学で印象に残ったこと」を答えるときにも、そのまま材料になります。

見学後のお礼メールの書き方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:【医学生】病院見学のお礼メール例文・テンプレ|送るタイミング・宛名・返信の仕方、お礼状はいらない?

見学当日の持ち物・服装・マナーは、こちらの記事で解説しています。
関連記事:【医学生】病院見学の服装・持ち物リスト|スーツはどこまで?バッグ・靴・髪型・女子の服装と注意点・マナー

病院側は見学で何を見ている?

病院見学は、こちらが病院を見る場であると同時に、病院からも見られている場です。病院にとって研修医の採用はとても大事なので、人柄や意欲を見ています。

一方で、見学の時点で成績や医学の知識はほとんど見られていません。見られているのは、次のようなところです。

  • あいさつなどの基本的なマナー
  • 第一印象(表情・身だしなみ・話し方)
  • 質問をしているか(病院への興味の度合い)

学生気分ではなく、「この病院で働く研修医候補」として行くことを意識すれば、大きな失敗はありません。

病院見学で見るべきこと・質問に関するよくある質問

Q. 質問が思いつかないときはどうする?

A. この記事の質問リストから、自分が気になるものを3つずつ選んで持って行きましょう。迷ったら、研修医の先生に「この病院を選んだ理由は何ですか?」と聞くのがおすすめです。病院の特徴が一番よくわかる質問です。

Q. 何科を見学すればいい?

A. 迷ったら、救急科か内科がおすすめです。救急科は研修医がどこまで任されているかがわかり、内科は初期研修で一番長く回る科です。志望科が決まっている人は、その科も見ておきましょう。

Q. 見学で先生と連絡先を交換したほうがいい?

A. 連絡先を交換する人は多くありません。交換するなら、「あとで質問したいことがある」など目的があるときにしましょう。

Q. 給料のことを聞いても失礼じゃない?

A. 研修医の先生に、話の流れで聞くぶんには問題ないと思います。給与は当直回数などで変わるので、「だいたいどれくらいか」を聞くのがおすすめです。

病院見学はいつから行くか、学年別のスケジュールや何週間前に申し込むかは、こちらの記事で解説しています。
関連記事:医学生の病院見学はいつから?時期・いつまで・何週間前に申し込むかを医学部4〜6年の学年別スケジュールで説明

まとめ:見るべきことは「研修医の雰囲気」と「自分が何をしたいか」

  • 病院見学で一番見るべきことは、研修医の雰囲気・人間関係
  • 見るべきポイントは、研修医の雰囲気・救急と当直・教育体制・研修医の働き方・給与と福利厚生の5つ
  • 質問リストは相手別に。研修生活のリアルは研修医、プログラムの考え方は指導医、制度は人事の方に
  • 過去問・面接内容・病院の短所は、研修医にだけこっそり聞く
  • 質問のタイミングは、昼ごはん・移動中や病棟の合間・見学後のご飯や懇親会
  • 事前準備は、ホームページとプログラムの確認・質問リスト作り・見学後のメモ整理
  • どんな医師になれるかは、結局は自分次第。自分が何をしたいかを考えながら見学する

病院見学は、病院を選ぶためだけでなく、「自分がどんな研修医になりたいか」を考えるきっかけにもなります。見るべきポイントと質問リストを持って、ぜひ実りのある見学にしてください。この記事が、病院見学に行く医学生の参考になればうれしいです。

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