「病院見学のお礼メールって、送ったほうがいいの?」「何を書けばいい?例文がほしい」「宛名や件名はどう書く?」——病院見学から帰ってきた医学生のみなさんは、こんなことで悩んでいるのではないでしょうか。
結論から言うと、病院見学のお礼メールは、見学した当日中(遅くとも翌日)に、申し込みをした人事・研修担当の窓口へ送るのがおすすめです。手紙のお礼状は必須ではなく、メールで十分。私もメールだけで送っていました。
そして一番大事なのは、見学した診療科・ついてくださった先生・実際に見たことを具体的に書いて、「自分にしか書けないお礼メール」にすることです。
この記事では、地方国公立医学部を卒業し、現在は市中病院で研修医1年目として働いている私が、実際に送ったお礼メールをもとにした例文・テンプレ、送るタイミング、宛名の書き方、返信への対応、お礼状は必要かを解説します。

見学で1日がんばって、帰りの電車でぐったり…。でも、お礼メールを送るまでが病院見学です。「家に帰るまでが遠足」と同じですね!
病院見学のお礼メールはいらない?出さないとどうなる?
結論:お礼メールは送ったほうがいい
「お礼メールはいらない」「出さない人もいる」という話を聞くこともあります。たしかに、お礼メールを出さなかったからといって、それだけでマッチングに落ちるとは限りません。
それでも私は、お礼メールは送ったほうがいいと考えています。理由は次の3つです。
- 忙しい中で時間を作ってくれた病院への、社会人としての基本的なマナーだから
- 病院への興味や意欲を伝えられ、名前を覚えてもらうきっかけになるから
- 見学で見たこと・感じたことを整理でき、志望動機や面接の材料になるから
特に3つ目は大きいです。お礼メールに「何を見て、どう感じたか」を書いておくと、それがそのままマッチングの履歴書の志望動機や、面接の「見学で印象に残ったこと」の下書きになります。
私はすべての病院にメールでお礼を送った
私は、見学に行った病院にはお礼メールを送っていました。手紙(お礼状)は出しておらず、すべてメールのみです。
また、見学そのものだけでなく、見学の日程を調整してもらったときにも、お礼のメールを送っていました。日程の調整も、担当の方が各科と連絡をとってくれているからです。
お礼メールを送るタイミングと宛先
タイミングは当日中、遅くとも翌日
お礼メールは、見学した当日中、遅くとも翌日に送りましょう。私も、当日中か翌日には送っていました。
時間がたつほど、見学で見たことの記憶もうすれてしまいます。具体的なことを書くためにも、記憶が新しいうちに送るのがおすすめです。夜遅くなってしまった場合は、翌朝に送るか、メールの予約送信を使うとよいでしょう。
宛先は人事・研修担当の窓口
お礼メールの宛先は、見学を申し込んだ人事課や研修担当(臨床研修センター・教育研修の担当部署など)の窓口です。私も、申し込みのやりとりをした窓口あてに送っていました。
見学で案内してくれた先生や研修医の先生にも感謝を伝えたいときは、メールの中で「○○先生にもよろしくお伝えください」とひと言そえれば大丈夫です。先生方の個人アドレスを聞いて直接送る必要はありません。
病院見学のお礼メール・お礼状の宛名の書き方
宛名は、「病院名 → 部署名 → 担当者名+様」の順に書きます。
- 担当者名がわかる場合:○○病院 人事課 ○○ ○○様
- 担当者名がわからない場合:○○病院 臨床研修担当 ご担当者様
- 部署や病院あてに出す場合:○○病院 人事課 御中
- 医師あての場合:○○病院 ○○科 ○○ ○○先生
- 「御中」と「様」はいっしょに使いません(×「人事課御中 ○○様」)
- 医師あては「先生」だけで敬称になるので、「先生様」とは書きません
- 病院名・部署名・担当者名の漢字は、申し込みのときのメールの署名などで必ず確認しましょう

一番やってはいけないのは、別の病院へのお礼メールを使い回して、病院名を直し忘れること。A病院に「B病院での見学ありがとうございました」…想像しただけで冷や汗が出ます。
病院見学のお礼メールの書き方
お礼メールの基本の構成
- 件名:病院見学のお礼(○○大学医学部医学科○年 氏名)
- 宛名:病院名・部署名・担当者名
- あいさつと名乗り:大学名・学年・氏名
- お礼:「先日は病院見学の機会をいただき、ありがとうございました」
- 見学の内容と感想:見学した科・ついてくださった先生・見たこと・感じたこと
- 結び:改めてのお礼と「今後ともよろしくお願いいたします」
- 署名:氏名(ふりがな)・大学・学年・連絡先
件名は、ひと目で「誰から、何のメールか」がわかるようにしましょう。担当の方は毎日たくさんのメールを受け取っているので、件名に「病院見学のお礼」と大学名・氏名を入れるのがポイントです。
「自分にしか書けない」お礼メールにする
私がお礼メールで一番意識していたのは、自分にしか書けないお礼メールにすることです。具体的には、次の3つを必ず入れていました。
- 見学させてもらった診療科
- ついてくださった先生のお名前
- 実際に見たこと・自分がやったこと(検査、手術、救急の対応など)と、そこで感じたこと
「見学をさせていただきありがとうございました。大変勉強になりました。」だけでは、誰が書いても同じ文章になってしまいます。担当の方は多くの学生からお礼メールを受け取っているので、テンプレートのままのメールは、すぐにわかってしまいます。
ただし、長文にする必要はありません。「何を見て、どう感じたか」を2〜3文で具体的に書けば十分です。
病院見学のお礼メール例文・テンプレ【コピペOK】
ここからは、私が実際に送ったお礼メールをもとにした例文を紹介します。個人情報は「○○」に置き換えています。【】の部分は、必ず自分の見学の内容に書きかえて使ってください。
例文①基本のお礼メール(5年生・初めての見学)
件名:病院見学のお礼(○○大学医学部医学科5年 ○○○○)
○○病院 人事課
○○ ○○様
お世話になっております。
先日、貴院の病院見学に参加させていただきました、○○大学医学部医学科5年の○○○○と申します。
お忙しいところ、見学のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
今回の見学では、【腎臓内科と消化器内科】を見学させていただきました。
【腎臓内科では、さまざまな症例を通して、腎不全の診断や電解質異常との関係、透析の仕組みについて学ばせていただきました。また、消化器内科では、早期胃癌に対するESDの様子を見学させていただきました。】
病院の雰囲気を感じることができただけでなく、自分自身の学びにもつながり、大変有意義な時間となりました。
改めまして、お忙しい中お時間をいただいたことに、心よりお礼申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
――――――――――――
○○ ○○(ふりがな)
○○大学 医学部医学科 5年
メール:○○○○@○○○
電話番号:○○○-○○○○-○○○○
――――――――――――
例文②救急科を見学したとき(6年生・志望度が高い病院)
件名:病院見学のお礼(○○大学医学部医学科6年 ○○○○)
○○病院 人事課
○○ ○○様
お世話になっております。
○○大学医学部医学科6年の○○○○と申します。
先日はご多用の中、病院見学の機会をいただき、誠にありがとうございました。
見学では、【○○先生、○○先生】のもと、【午前・午後と救急部での業務】を見学させていただきました。
【次々と搬送される救急患者さんへの対応や処置の様子など、とても忙しい中でも、患者さん一人ひとりに真摯に向き合う先生方のお姿に深く感銘を受け、自分も将来そのような医師になりたいと強く感じました。】
今回の見学を通じて、貴院を研修先としてより具体的にイメージすることができ、大変有意義な時間となりました。
改めまして、このたびは貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
(署名は例文①と同じ)
例文③2回目以降の見学のお礼メール
件名:病院見学のお礼(○○大学医学部医学科6年 ○○○○)
○○病院 ○○課
○○ ○○様
平素より大変お世話になっております。
○○大学医学部医学科6年の○○○○と申します。
先日は、1回目の見学に引き続き、再び病院見学の機会をいただき、誠にありがとうございました。
当日は、【呼吸器内科と救急科】を見学させていただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。
【呼吸器内科では、主に気管支鏡検査の様子を見学させていただきました。気道内の観察方法や手順、生検の方法について改めて学ぶことができ、その先の研修のイメージをより具体的に描くことができました。】
【また救急科では、○○先生のご案内のもと、救急部の設備や多様な症例について詳しくご説明いただきました。初期研修中の救急科での研修内容や、そこで身につけられるスキルについても丁寧にお話しいただき、貴院での初期研修をはっきりとイメージすることができました。】
改めまして、このたびの貴重な見学の機会に心より感謝申し上げます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
(署名は例文①と同じ)
2回目以降の見学では、「1回目に引き続き」と書いて、前回とは違う科を見たこと、研修のイメージがより具体的になったことを伝えると、志望度の高さが自然に伝わります。
例文④見学の日程調整をしてもらったときのお礼
件名:Re: 病院見学のお申し込みについて(○○大学医学部医学科○年 ○○○○)
○○病院 人事課
○○ ○○様
お世話になっております。
○○大学医学部医学科○年の○○○○です。
このたびは、見学の日程をご調整いただき、誠にありがとうございます。
【○月○日(○)の○○科の見学】、承知いたしました。当日はどうぞよろしくお願いいたします。
(署名)

例文をそのままコピペすると、「ESDを見学しました」と書いたのに実は皮膚科を見学していた…なんて事故が起きます。【】の中は必ず自分の体験に書きかえてくださいね(笑)
お礼メールのNG例
- テンプレートのままで、見学の具体的な内容がない
- 長すぎる(読むのに時間がかかる)
- 病院名・担当者名・先生のお名前の間違い
- 件名がない、または「ありがとうございました」だけで誰からかわからない
- 署名がない
- 見学から何日もたってから送る
病院見学のお礼メールへの返信は必要?
お礼メールを送ると、病院から返信が来ることがあります。私の場合は、お礼メールを送ったすべての病院から返信が来ました。
そのうえで、返信にさらに返信する必要は、基本的にありません。私も、返信にさらに返信はしていません。相手のメールが「今後ともよろしくお願いいたします」などで締めくくられていれば、そのままで大丈夫です。
ただし、次のような場合は返信しましょう。
- 返信の中に質問がある
- 次の見学や説明会、採用試験の案内など、返事が必要な内容が書かれている
返信する場合も、短くて大丈夫です。
○○様
ご丁寧にご返信いただき、ありがとうございます。
【ご案内いただいた○○について、承知いたしました。】
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(署名)

お礼にお礼を返して、それにまたお礼が来て…とやっていると、終わらない「お礼ラリー」が始まります。どこかで止めるのも、相手の手間を増やさない思いやりです。
病院見学のお礼状(手紙)・感謝状は必要?
「医学生の病院見学のお礼状」「感謝状の例文」を調べている人もいると思いますが、病院見学のお礼は、メールで十分です。最近は見学の申し込みもフォームやメールが中心なので、お礼もメールで送るのが一般的です。私もお礼状(手紙)は出していません。
なお、「感謝状」は、ふつうは団体や組織が功績のあった人に贈る表彰状のようなものを指すことが多い言葉です。医学生が見学のお礼として送るものは、「お礼状」や「お礼メール」と呼ぶのが自然です。
どうしても手紙で気持ちを伝えたい場合は、次の点に気をつけましょう。
- 見学の翌日までに投函する
- 白い無地の便せん・封筒を使い、手書きで丁寧に書く
- 封筒の宛名は「病院の住所 → 病院名 → 部署名 → 担当者名+様」
- 内容は、お礼メールの例文と同じ構成(お礼・見学の内容と感想・結び)でOK
病院見学のお礼メールに関するよくある質問
Q. 見学で案内してくれた研修医の先生にも送るべき?
A. 窓口あてのお礼メールに「○○先生にもよろしくお伝えください」と書けば十分です。連絡先を交換していて、直接お礼を伝えたい場合は、短いメッセージで大丈夫です。
Q. 夜遅くに送っても大丈夫?
A. 当日中に送るのが理想ですが、深夜になってしまうなら、翌朝に送るか予約送信を使いましょう。
Q. 「見学をさせていただきありがとうございました」だけでもいい?
A. 送らないよりはよいですが、それだけだと印象には残りにくいです。見学した科や、見たこと・感じたことを2〜3文でいいので加えましょう。
Q. 2回目・3回目の見学でもお礼メールは送る?
A. 送りましょう。私は受験する病院には3回ずつ見学に行きましたが、2回目の見学のあとにもお礼メールを送っています(例文③)。前回と違う科を見たこと、研修のイメージがより具体的になったことを書くと、志望度の高さが伝わります。
まとめ:お礼メールは当日中に「自分の言葉」で
- 病院見学のお礼メールは、いらないわけではない。送ったほうがいい
- 送るタイミングは、当日中、遅くとも翌日
- 宛先は、見学を申し込んだ人事・研修担当の窓口
- 宛名は「病院名→部署名→担当者名+様」。「御中」と「様」は併用しない
- 見学した科・ついてくださった先生・見たことを書いて、自分にしか書けないお礼メールにする
- お礼メールへの返信に、さらに返信する必要は基本的にない
- お礼状(手紙)や感謝状は必須ではなく、メールで十分
お礼メールは、ほんの数分で書けるのに、病院への印象を良くしてくれて、志望動機の材料にもなる、とてもコスパのいい行動です。この記事の例文を参考に、ぜひ自分の言葉でお礼を伝えてみてください。病院見学に行く医学生の参考になればうれしいです。



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