「医学生のうちに英語資格を取っておいた方がいいのかな」「TOEICやTOEFLはマッチングに有利って聞いたけど本当?」——そんな疑問を持つ医学生は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、英語資格はマッチングで有利に働く「可能性はある」ものの、必ずしも有利になるとは限りません。実際、私は中くらいの人気の病院にマッチしましたが、英語の点数がマッチングに影響することは全くありませんでした。
英語資格よりも大切なのは、CBTの成績や志望病院の採用試験・面接の対策です。そのうえで、英語が得意で自信がある人は、良い点を取っておくとプラスの材料になります。
この記事では、地方医学部を卒業し、現在研修医1年目として働いている私が、医学生におすすめの英語資格(TOEIC・TOEFL・英検)の違いと、マッチングでの本当の位置づけを本音で解説します。

「英語資格がないとマッチングで不利になるかも…」と焦っている人も、まずはこの記事で優先順位を整理してみてください!
医学生の英語資格はマッチングで有利になる?
結論:有利に働く可能性はあるが、必ずしも有利とは限らない
臨床研修マッチングの評価は、筆記試験・面接・小論文・病院見学や実習での印象、CBTの成績など、病院ごとに決められた複数の要素で決まります。英語資格のスコアはその中の一つとして評価に入る可能性はありますが、英語資格だけで合否が決まるわけではありません。
また、英語の点数をどれくらい重視するかは病院によってまったく違います。英語資格が評価に大きく関わる病院もあれば、ほとんど関係ない病院もある、というのが実情です。
中くらいの人気の病院にマッチした私の場合、英語は全く影響しなかった
私がマッチしたのは、毎年フルマッチし、第一志望にしていても落ちる人がいるくらいの「中くらいの人気」の病院です。ただ、大都会にある病院ではないため、英語の点数があまり評価に関わらない病院でした。
そのため、私のマッチングにおいて、英語資格が影響することは全くありませんでした。それよりも、CBTの成績や病院の試験、面接の方がずっと大切だったと感じています。

「英語資格はマッチングに有利」とよく言われますが、それはあくまで病院次第。全員が必死に取るべきものではないと思います。
英語の点数が評価されやすい病院・されにくい病院
一般的には、大学病院や都市部の人気病院、研究や海外研修に力を入れている病院ほど、英語資格が評価されやすい傾向があると言われています。一方で、地域医療を中心とする病院では、英語資格よりも臨床への意欲や人柄が重視されやすいようです。
- 評価されやすい:大学病院、都市部の人気病院、研究・海外研修に力を入れている病院
- 評価されにくい:地域医療が中心の病院、大都会ではない病院
私がマッチした病院はまさに「英語の点数があまり関わらない」側でした。英語資格が有利に働くかどうかは、志望する病院のタイプによって大きく変わると考えておきましょう。
医学生におすすめの英語資格3選を比較【TOEIC・TOEFL・英検】
医学生が検討しやすい英語資格を、特徴ごとに比較しました。
| 資格 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| TOEIC | 試験回数が多く受験しやすい。国内の病院・企業で広く知られている | マッチング用にまず1つ英語資格を持っておきたい人 |
| TOEFL iBT | 読む・聞く・書く・話すの4技能をアカデミックな英語で測る。海外大学で使われる | 海外留学や国際色の強い病院を目指したい人 |
| 英検 | 受験時代に取得している人が多く、合格した級は失効しない。主に国内での評価 | すでに準1級以上を持っている人 |
迷ったら、国内のマッチングで使うならTOEIC、海外留学まで視野に入れるならTOEFLがおすすめです。英検準1級以上をすでに持っているなら、それをそのまま履歴書に書くのも一つの手です。
TOEIC:マッチング用に1つ持つならまずはこれ
TOEIC(Listening & Reading)は試験がほぼ毎月実施され、対策教材も豊富なため、忙しい医学生でもスケジュールを組みやすいのが魅力です。医療者向けの試験ではありませんが、国内では知名度が高く、点数で英語力が伝わりやすい資格です。
どのくらいの点数からアピールになるかについて、病院の公式な基準はありません。ただ、点数が低いと逆に印象が良くないこともあるので、中途半端な点数なら無理に書かなくてもよいと私は考えています。
TOEFL:海外留学・国際色のある病院を目指すなら
TOEFL iBTはリーディング・リスニングに加えてライティング・スピーキングまで問われるため、実践的な英語運用力を証明したい人向きです。将来の海外留学や、国際色の強い研修プログラムを視野に入れているなら、TOEICよりもTOEFLの方が評価されやすい場面があります。
ただし、受験料が高く、スピーキングやライティングの対策にも時間がかかります。目的がはっきりしていないなら、マッチングのためだけにTOEFLを選ぶ必要はないでしょう。
英検:受験時代の貯金を活かしたい人向け
高校・大学受験時代に英検を取得している人も多いはずです。英検は一度合格した級に有効期限がないため、すでに準1級以上を持っている人は、それをそのまま履歴書でアピールするのも一つの手です。
一方で、医学部入学後にわざわざ英検を受け直すなら、点数で細かく英語力を示せるTOEICの方が使いやすいと思います。

英検を医学部入試で使えるかどうかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
番外編:IELTS・USMLEはこんな人向け
イギリス・オーストラリアなど英語圏への留学を考えるならIELTS、将来アメリカで医師として働くことまで見据えるならUSMLE(米国医師国家試験)も選択肢に入ります。ただしどちらも受験料・対策コストが高く、目的が明確な人向けの資格です。
TOEIC・TOEFLは受験英語とは違う難しさがある
「受験で英語は得意だったから、TOEICも余裕でしょ」と思う人もいるかもしれません。しかし、TOEICやTOEFLはこれまでの受験英語とは違い、実用的な英語を問う試験です。
- ビジネスや大学生活など、受験ではあまり触れなかった場面の英語が出る
- 大量の英文を時間内に処理するスピードが求められる
- リスニングの比重が大きい(TOEFLはスピーキング・ライティングも)
そのため、受験英語が得意だった人でも、形式に慣れていないと思ったより点数が伸びないことがあります。受験英語とはまた違った難しさがあると考えて、問題集や公式問題で形式に慣れておきましょう。
マッチングでは英語資格よりCBT・採用試験・面接が大切
ここまで英語資格について解説してきましたが、私がいちばん伝えたいのはここです。マッチングで優先すべきなのは、TOEICなどの英語資格よりもCBTの成績や志望病院の採用試験・面接です。
- CBTの成績(評価に使う病院がある)
- 志望病院の採用試験(筆記試験・小論文など)
- 面接・病院見学での印象
- 英語資格などのプラスアルファ
英語資格はあくまで「プラスアルファ」です。英語の勉強に時間を使いすぎて、CBTや病院の試験対策がおろそかになっては本末転倒です。
英語資格を頑張るべき人・頑張らなくていい人
頑張るべき人:英語が得意で自信がある人
もともと英語が得意で自信がある人は、頑張って良い点を取っておくとマッチングに有利に働く可能性があります。得意分野なら少ない勉強時間で高得点を狙えるので、コスパの良いアピール材料になります。
また、英語の点数を重視する都市部の人気病院や、海外研修・留学に力を入れている病院を志望している人も、英語資格を準備しておく価値は高いでしょう。
頑張らなくていい人:英語が苦手、または志望病院で重視されない人
英語が苦手な人が、マッチングのためだけに一から高得点を目指すのはコスパが良いとは言えません。特に、志望病院で英語の点数があまり評価されないなら、その時間をCBTや採用試験の対策に回した方が効果的です。私自身も、英語がマッチングに影響することはありませんでした。
志望病院で何が重視されるかをきちんと調べよう
英語資格を取るべきかどうかは、結局のところ自分が将来就職したい病院で何が重視されるかによって決まります。次のような方法で、事前にきちんと調べておきましょう。
- 病院のホームページや募集要項で、選考方法(筆記・面接・小論文・提出書類)を確認する
- 病院見学のときに、研修医の先生に「選考で何が見られていたか」を聞いてみる
- その病院にマッチした大学の先輩に、試験内容や英語資格の扱いを聞く
特に、研修医や先輩から聞く生の情報は、ホームページだけでは分からないことが多く参考になります。英語資格を書く欄があるか、筆記試験に英語が出るかなども、病院ごとに確認しておくと安心です。
医学生が英語資格を取るならいつ・どう勉強すべき?
取得のタイミングは実習が本格化する前がおすすめ
高学年になるとポリクリ(臨床実習)やCBT・国試の勉強、マッチング活動で時間の確保が難しくなります。英語資格を取るなら、比較的時間の取りやすい低学年〜実習が本格化する前のうちに取得しておくと、マッチングの時期に慌てずに済みます。
なお、TOEFLのスコアの有効期限は2年です。応募書類に書く際に有効期限や受験時期の指定がないか、あわせて確認しておきましょう。
忙しい医学生向けの勉強法
まとまった勉強時間が取れない場合は、通学時間や空き時間を使った単語・リスニング学習を積み重ね、直前に公式問題で形式に慣れるのがおすすめです。
まとめ:英語資格はプラスアルファ。まずは志望病院を調べよう
英語資格はマッチングで有利に働く可能性はありますが、必ずしも有利になるとは限りません。
- 英語資格が評価されるかどうかは病院次第(私の病院では全く影響なし)
- TOEIC・TOEFLは受験英語とは違う、実用的な英語の難しさがある
- 英語が得意で自信がある人は、良い点を取っておくとプラスになりうる
- 迷ったらまずはTOEIC、海外志向ならTOEFL、英検準1級以上を持っていればそれでもOK
- 英語資格よりもCBT・採用試験・面接の対策を優先する
- 志望病院で何が重視されるかをきちんと調べることが一番大切
周りが英語資格を取っているからと焦る必要はありません。自分の志望病院と得意・不得意に合わせて、無理のない範囲で取り組んでみてください。


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