「医学部受験に英検は必要ですか?」という質問を、後輩の医学部志望者からよく聞かれます。
結論から言うと、英検が必須の医学部はごく一部で、多くの大学では「持っていなくても受験できる」のが実情です。ただし、英検を持っていることで加点・得点換算などの優遇が受けられる医学部は年々増えているため、使える大学であれば取っておいて損はありません。
この記事では、地方医学部を卒業し現在研修医1年目として働いている私が、英検利用入試の仕組みと、2026年時点で英検が利用できる医学部の一覧を、自分の経験も交えて本音で解説します。
医学部受験に英検は必要?結論と現状
英検が「必須」の大学は少ないが「有利」になる大学は増加中
結論として、英検を出願資格として必須にしている医学部医学科はごく少数です。多くの大学は「一般選抜」であれば英検なしでも問題なく受験できます。
一方で、英検を持っていると共通テストや個別試験の英語が有利に扱われる「英検利用入試(英語外部検定利用入試)」を導入する大学は年々増加しています。特に準1級(CEFR B2)以上を持っていると、多くの大学で優遇の対象になります。
地方医学部卒の私は英検をどう考えていたか
地方の国公立医学部を受験するにあたって、英検を利用するのであれば、準1級以上の取得が一つの目安になります。ただ、当時の僕には英検準1級に合格できるほどの英語力はありませんでした。
また、大学受験の英語と英検の英語では、求められる力が少し異なります。英検ではリーディングだけでなく、リスニングや英作文、二次試験ではスピーキングの対策も必要です。そのため、英検準1級の取得を目指すとなると、医学部受験とは別に英検に合わせた対策にも時間を割く必要がありました。
限られた受験勉強の時間を考えた結果、僕は英検の取得はせず、入試にも英検は利用しませんでした。
私の受けた大学は英検を利用できる大学ではありませんでしたが、英語が足を引っ張ることもなく地方医学部にも合格できています。
英検利用入試は、「持っていれば選択肢が広がる保険」のようなものだと考えると気持ちが楽になります。
ただ、広島大学や鹿児島大学などでは、条件を満たせば共通テスト英語で満点に近い扱いを受けられる制度がありました。
このような大学を受験する際に英検準一級を取っていれば、共通テストでの英語の対策がほぼ不要になったり、共通テストの英語で失敗してもカバーできる可能性があります。
英検準1級を取得できる英語力があり、志望大学で有利に利用できるのであれば、取得を目指す価値は十分にあると思います。一方で、僕のように英検準1級のために別途かなりの対策が必要になるのであれば、無理に取得を目指さず、共通テストや二次試験の対策に時間を使うという選択肢もあります。
結局は、「医学部受験だから英検準1級を取らなければならない」と考えるのではなく、現在の英語力と志望大学の英検利用制度を確認したうえで、英検対策に時間を使う価値があるかを判断するのがよいと思います。
英検利用入試の3つのパターン
ひとくちに「英検利用」といっても、大学によって使われ方は異なります。主に次の3パターンに分かれます。
- パターン①出願資格として一定の級・スコアが必要なタイプ
- パターン②共通テストや個別試験の英語得点に換算されるタイプ(みなし満点・加点)
- パターン③調査書や面接など、総合評価の一要素として考慮されるタイプ
パターン①出願資格として英検の級が必要なタイプ
推薦型選抜や特別選抜などで、出願するために一定の級(2級・準1級・1級など)の取得が条件になっているパターンです。この場合、英検を持っていなければそもそも出願できません。
パターン②共通テスト・個別試験の得点に換算されるタイプ
一般選抜で多いのがこのパターンで、英検のスコア(CSEスコア)に応じて、共通テストの英語をみなし満点にしたり、一定割合まで加算したりする仕組みです。CSEスコアとは、英検が級を超えて英語力を数値化した指標で、換算の際の基準としてよく使われます。
パターン③点数が加点されるタイプ
面接評価や書類選考の中で、英検の取得級に応じて数点〜数十点が加点されるタイプです。合否を分けるボーダーライン付近では、この加点が大きな意味を持つこともあります。
【2026年最新】英検が利用できる国公立医学部一覧
2026年時点で、英検(英語外部検定)を一般選抜等で活用している国公立医学部の代表例は以下のとおりです。年度により条件が変わるため、必ず最新の募集要項をご確認ください。
| 大学名 | 入試方式 | 利用方法(目安) | 目安の級・スコア |
|---|---|---|---|
| 広島大学 | 一般選抜(前期) | 共通テスト「英語」をみなし満点 | 英検準1級以上(CEFR B2相当) |
| 佐賀大学 | 一般選抜(前期・後期) | 共通テスト英語より高い場合に一定割合まで換算 | CSEスコア2150前後〜 |
| 鹿児島大学 | 一般選抜(前期・後期) | 共通テスト英語をみなし満点、または加点 | 英検準1級以上 |
| 岡山大学 | 一般選抜(前期) | 共通テスト・個別試験の英語を両方満点扱い | 英検1級・CSEスコア2600前後 |
| 高知大学 | 総合型選抜 | 出願時の評価要素として活用 | 級の指定なし(要項要確認) |
| 名古屋大学・大阪大学 | 学校推薦型選抜 | 出願資格・評価要素として活用 | 大学・年度により異なる |
【2026年最新】英検が利用できる私立医学部一覧
| 大学名 | 入試方式 | 利用方法(目安) | 目安の級・スコア |
|---|---|---|---|
| 東京医科大学 | 英語検定試験利用推薦/一般(加点方式) | 出願資格、または級に応じて加点 | CEFR B1(英検2級)以上で出願可 |
| 東邦大学 | 統一入試 | 出願資格 | 英検2級以上 |
| 日本医科大学 | グローバル特別選抜 | 出願資格 | 英検準1級以上 |
| 順天堂大学 | 一般選抜B方式 | 出願資格+スコアに応じて加点 | CSEスコア1980以上 |
| 埼玉医科大学 | 推薦入試 | 出願資格 | 英検1級 |
| 関西医科大学 | 特色選抜 | 出願資格の目安 | 英検準1級相当 |
| 兵庫医科大学 | 一般選抜B(英語資格試験活用型) | 出願資格+調査書と合わせて評価 | 英検2級以上 |
| 福岡大学 | 一般選抜等 | 級に応じて段階的に加点 | 英検2級以上(準1級以上でさらに加点) |
| 藤田医科大学 | 共通テスト利用選抜(後期) | 基準点に満たない場合の得点引き上げ | CSEスコア2300前後 |
| 東京慈恵会医科大学 | 一般選抜 | 書類・面接評価の考慮要素 | スコア指定なし |
| 国際医療福祉大学 | 一般選抜等 | 活動実績報告書の評価対象 | スコア指定なし |
| 大阪医科薬科大学 | 学校推薦型選抜(公募制) | 出願資格・評価要素として活用 | 年度により異なる |
※上記はあくまで2026年時点で確認できた目安です。出願前には必ず志望大学の公式サイトで最新の学生募集要項を確認してください。
医学部受験で英検を取るなら何級を目指すべき?
目安は英検準1級(CEFR B2)以上
一般選抜で得点換算・加点を狙うなら、英検準1級(CEFR B2相当)以上を目指すのが一つの目安になります。国公立医学部の多くが、優遇の基準を準1級以上に設定しているためです。
出願資格に使うだけなら2級以上が対象になる大学もある
一方で、東邦大学や兵庫医科大学のように、出願資格そのものは英検2級以上で満たせる大学もあります。「まずは出願資格を満たしたい」という場合は、2級を早めに取得しておくのも一つの戦略です。
英検利用入試の注意点
有効期限・スコアの提出期限に注意
多くの大学では、英検の合格証明書やスコアレポートに有効期限(受験からの経過年数)や提出期限が設けられています。出願直前になって「証明書が間に合わない」ということがないよう、早めに準備しておきましょう。
年度によって制度が変わるため必ず募集要項を確認する
英検利用入試の制度は、大学の方針変更により年度ごとに条件が変わることが珍しくありません。この記事で紹介した内容は目安として活用しつつ、出願する年度の公式な学生募集要項を必ず確認するようにしてください。
まとめ:英検は医学部受験の「必須科目」ではなく「使える武器」
医学部受験において英検は必須ではありませんが、使える大学であれば持っておいて損はない武器になります。
- 英検が必須の医学部はごく一部で、多くは「持っていると有利」な位置づけ
- 利用方法は「出願資格」「得点換算」「加点」の3パターンに大別できる
- 優遇を狙うなら英検準1級(CEFR B2)以上が一つの目安
- 制度は年度によって変わるため、必ず最新の募集要項で確認する
志望校が英検利用入試を実施しているか、早めに調べておくことをおすすめします。


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