これから医学部を目指そうと考えている女子の中には、地域枠での入学を考えている人もいるのではないでしょうか。もしくは、実際に地域枠で医学部に入学している女性で当記事にたどり着いた人もいるかもしれません。
そのような人の中には「医学部の地域枠受験は女子に不利だ」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、医学部の地域枠受験で女子が不利になると言うことはありません。
- 「地域枠で入学して婚約者、または恋人が県外に行くことになった場合どうするのか」
- 「結婚や出産についてはどのように考えているのか」
という踏み込んだ質問をされる可能性はあるかもしれませんが、それでも地域医療に貢献すると答えられれば大丈夫だと思います。
ただ、医学部に地域枠として入学した場合、女子でもちゃんと幸せな結婚ができるのか、実際のところの話が気になっている人もいるはず。
当記事では、
- 医学部地域枠の女子は婚期を逃すのか
- 在学中に付き合った男性が地方から離れたいと考えている場合、遠距離恋愛になることは避けられないのか
- 結婚を理由に地域枠を離脱することはできないのか
ということについて説明しました。医学部に地域枠で入学した女子・入学しようとしている女子はぜひご覧ください。
医学部地域枠の女子は婚期を逃す?
まずここでは、
- そもそも医学部の地域枠とは?
- 医学部地域枠の女子は婚期を逃す可能性がある?
ということについて説明します。
医学部の地域枠とは?
医学部の地域枠制度とは、医学部入試において、ある条件のもとで優遇措置を設ける制度のことです。
難しく言いましたが、結論から言うと、「奨学金もあげるし学力・偏差値も少々低くていいから、大学卒業後の数年は医者になって地方で働いてくれ」という制度です。
入試形態は、
- 面接と共通入試の結果のみで決まるものやそれらに加えて大学独自の試験を受けなければならないもの
- 大学がある県や近隣の県の出身者しか応募できないものや全国の人が応募できるもの
- 1浪までしか応募資格のないものや3浪以上でも応募可能なもの
と、大学によって様々です。
地域枠制度は、「在学中はお金の心配もしなくて良いうえに、医学部にも入学しやすくなる」と受験生にとってはかなりメリットの大きい制度です。
しかし、医者になった後の約9年間(通常は在学期間6年の1.5倍の年数だが、大学によって異なる)は大学が定める指定地域で働ければならないという大きなデメリットが存在します。
地域枠で入学しようとしている女子、もしくは入学した女子は、この縛りのせいで結婚できないのではないかと不安に感じている人もいるでしょう。
医学部の地域枠受験についてもと詳しく知りたいと言う人はこちらの記事をご覧ください。
医学部地域枠の女子は婚期を逃す可能性がある?
地域枠で入学しようとしている方・地域枠で入学した方が、結婚に関して不安を抱くのは、卒業後の9年間に縛りがあるためでしょう。
通常、地域枠で入学した学生が大学を卒業するのは、24~25歳です。その後の9年間を縛られると考えると、その縛りから解放されるのは33~34歳になります。
18~19歳から33~34歳までの15年間は、結婚や子育てなど、様々なライフイベントの適齢期でもありますし、医師として成長するうえで大切な期間でもあるのです。この期間に、就労する場所や診療科の面で制約を受けると、ライフプランやキャリアプランの面でも少なからず影響を受けるでしょう。
キャリアの面では、もし在学中に興味を持った診療科があったとしても、内科や外科、産婦人科、総合診療科しか専攻できないでしょうし、僻地や離島での勤務になるので最新の医療機械に触れる機会が持てないことも考えられます。
ライフプランの面では、就労する場所が限られるので、結婚したい場合には、指定の地域で恋人を見つける、もしくはその地域に残ってくれる人を在学中か卒業後に見つけることになるのです。つまり、都会の恋人と結婚するというのはなかなか難しいということになります。
また、結婚したとしても子供をその地域で育てることになるので、教育の充実した都会で育てることができないというデメリットもあるでしょう。
以上のような懸念点が地域枠の学生には存在するのです。
この9年間の縛りのせいで地域枠の学生、特に女子医学生は婚期を逃すのではないかと考えている人もいます。
地方の場合、出会いの数がそもそも少ないでしょうし、特に女性の場合には、仕事現場が女性社会になるので、働き出してから職場で結婚相手を見つけるのが難しいということも考えられるかもしれません。
確かに地方だと出会いの数は少ないかもしれませんが、出会いの数が0ということはありませんし、地方で人が少ない分、職場や地域のコミュニティのつながりも深い傾向にあります。ですので、地方だからといって一概に婚期を逃すとは言い切れませんよ。
幸せな結婚ができるかどうかは、地域枠の学生かどうかではなく、どれだけ自分を磨く努力ができるか、恋人を見つけるために行動できるかだと思います。
結婚を理由に地域枠を離脱することはできない?
在学中の6年間、地域枠で入学した女子であっても、地元に戻りたい、都会に出たいと考えている男性と付き合う可能性は大いにあります。
医学部に地域枠で入学した女子で、今現状そのような男性と付き合っているという人がいるかもしれません。
そのような場合、
- 遠距離恋愛になることは避けられないのか
- 結婚を理由に地域枠を離脱することはできないのか
ということが気になるところでしょう。まずは、結婚を理由に地域枠を離脱することはできるのか、離脱したらどうなるかということについて説明していきます。
地域枠の離脱はおすすめしない
結論から言うと、結婚という個人的な理由で医学部の地域枠を離脱することは基本的にはできません。
結婚を理由に医学部地域枠の離脱・辞退が合意される可能性はかなり低いでしょう。都道府県の合意が得られないまま、地域枠を離脱してしまうと次のようなペナルティが課せられます。
- 受け取った奨学金に利子10%をつけて一括返済を求められる
- 元地域枠離脱者を雇った病院は厚労省からの補助金を減額されるため、就職できる病院が絞られる
- 「専門医」の資格を取得することができなくなる
6年間奨学金を借りていれば、約1,000万円にもなります。地域枠を離脱すれば、その額の奨学金の一括返済が求められるのです。
また、地域枠離脱者は、病院のマッチングでも不利になる可能性があります。これは、地域枠離脱者の研修を受け入れた病院は補助金を減らすという制裁が加えられるためです。ですので、補助金を受けているような都内の有名病院などでは働けないでしょう。
さらに、地域枠を離脱した場合、他の地域で専門研修を受けても「専門医」の資格を取得することはできません。新専門医制度が導入された今、専門医を取得できないのはキャリアアップや年収アップの面で大きなデメリットとなる可能性があります。
このように地域枠離脱者には多くの制裁が加えられます。
ですので、恋人と遠距離になりたくないから、今の恋人と結婚したい、別れたくないからという理由で医学部の地域枠を離脱することはおすすめしません。
地域枠という理由で遠距離になる、別れるのは精神的にかなり辛いでしょうが、地域枠を離脱した後にその恋人との関係が破綻した場合には、さらにつらい思いをすることになります。
また、学生時代にどんなに仲の良かったカップルでも別れしまうことは往々にしてあります。
「大学生の時はあんなに仲がよかったのに」と驚くことも少なくないです。
医学部地域枠の離脱は、思っている以上にデメリットが大きいので慎重に決めなければなりません。
交際相手も地域枠の医学生の場合
交際相手も地域枠の学生の場合、同じ土地で働くことができる可能性もあります。
例えば、自治医科大などでは、お互いの都道府県で義務年限の半分の年数ずつを働けば良いことになっているらしいです。
付き合っている恋人も地域枠の医学生の場合、その制度を利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまで、
- 医学部の地域枠は女子にとって不利なのか
- 地域枠の女子は婚期を逃すのか
- 結婚を理由に地域枠を離脱することはできないのか
ということについて説明してきました。
結論、医学部の地域枠受験で女子が不利になるということはありませんが、地域枠特有の9年の縛りが結婚や出産、在学中に付き合った恋人との関係などに大きく影響する可能性があるということです。
医学部を地域枠で受験しようと考えている女子の方は、もう一度よく考えてみることをおすすめします。
こちらの記事も参考にしてください。
コメント